石川啄木
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治(をさ)まれる世の事(こと)無さに 飽きたりといひし頃こそ かなしかりけれ 石川啄木…
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こころよく 春のねむりをむさぼれる 目にやはらかき庭の草かな 石川啄木…
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友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来(き)て 妻としたしむ石川啄木…
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いと暗き 穴に心を吸はれゆくごとく思ひて つかれて眠る 石川啄木…
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とかくして家を出(い)づれば 日光のあたたかさあり 息ふかく吸ふ 石川啄木…
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女あり わがいひつけに背(そむ)かじと心を砕(くだ)く 見ればかなしも 石川啄木…
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ふるさとの土をわが踏めば 何がなしに足軽(かろ)くなり 心重(おも)れり 石川啄木…
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敵として憎みし友と やや長く手をば握(にぎ)りき わかれといふに 石川啄木…
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ゆゑもなく海が見たくて 海に来ぬ こころ傷(いた)みてたへがたき日に 石川啄木…
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ふるさとの山に向(むか)ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな 石川啄木…
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