石川啄木
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そのかみの神童の名の かなしさよ ふるさとに来て泣くはそのこと 石川啄木…
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寂寞(せきばく)を敵とし友とし 雪のなかに 長き一生を送る人もあり 石川啄木…
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かの旅の夜汽車の窓に おもひたる 我がゆくすゑのかなしかりしかな 石川啄木…
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人間のすることでなにひとつえらいことがありうるものか。人間そのものがすでにえらくもたっとくもないのだ。石川啄木…
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鏡屋(かがみや)の前に来て ふと驚きぬ 見すぼらしげに歩(あゆ)むものかも 石川啄木…
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打明けて語りて 何か損(そん)をせしごとく思ひて 友とわかれぬ 石川啄木…
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はても見えぬ 真直(ますぐ)の街をあゆむごとき こころを今日は持ちえたるかな 石川啄木…
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ふるさとの空遠(とほ)みかも 高き屋(や)にひとりのぼりて 愁(うれ)ひて下(くだ)る 石川啄木…
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よりそひて 深夜の雪の中に立つ 女の右手(めて)のあたたかさかな 石川啄木…
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白き蓮(はす)沼に咲くごとく かなしみが 酔ひのあひだにはっきりと浮く 石川啄木…
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