石川啄木

1. 

   石川啄木

   2017.10.8

   そのかみの神童の名の かなしさよ ふるさ

   そのかみの神童の名の かなしさよ ふるさとに来て泣くはそのこと 石川啄木…

2. 

   石川啄木

   2017.10.8

   寂寞(せきばく)を敵とし友とし 雪のなか

   寂寞(せきばく)を敵とし友とし 雪のなかに 長き一生を送る人もあり 石川啄木…

3. 

   石川啄木

   2017.10.8

   かの旅の夜汽車の窓に おもひたる 我がゆ

   かの旅の夜汽車の窓に おもひたる 我がゆくすゑのかなしかりしかな 石川啄木…

4. 

   石川啄木

   2017.10.8

   人間のすることでなにひとつえらいことがあ

   人間のすることでなにひとつえらいことがありうるものか。人間そのものがすでにえらくもたっとくもないのだ。石川啄木…

5. 

   石川啄木

   2017.10.8

   鏡屋(かがみや)の前に来て ふと驚きぬ

   鏡屋(かがみや)の前に来て ふと驚きぬ 見すぼらしげに歩(あゆ)むものかも 石川啄木…

6. 

   石川啄木

   2017.10.8

   打明けて語りて 何か損(そん)をせしごと

   打明けて語りて 何か損(そん)をせしごとく思ひて 友とわかれぬ 石川啄木…

7. 

   石川啄木

   2017.10.8

   はても見えぬ 真直(ますぐ)の街をあゆむ

   はても見えぬ 真直(ますぐ)の街をあゆむごとき こころを今日は持ちえたるかな 石川啄木…

8. 

   石川啄木

   2017.10.8

   ふるさとの空遠(とほ)みかも 高き屋(や

   ふるさとの空遠(とほ)みかも 高き屋(や)にひとりのぼりて 愁(うれ)ひて下(くだ)る 石川啄木…

9. 

   石川啄木

   2017.10.8

   よりそひて 深夜の雪の中に立つ 女の右手

   よりそひて 深夜の雪の中に立つ 女の右手(めて)のあたたかさかな 石川啄木…

10. 

    石川啄木

    2017.10.8

    白き蓮(はす)沼に咲くごとく かなしみが

    白き蓮(はす)沼に咲くごとく かなしみが 酔ひのあひだにはっきりと浮く 石川啄木…