石川啄木
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あまりある才を抱(いだ)きて 妻のため おもひわづらふ友をかなしむ 石川啄木…
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打明けて語りて 何か損(そん)をせしごとく思ひて 友とわかれぬ 石川啄木…
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どんよりと くもれる空を見てゐしに 人を殺したくなりにけるかな 石川啄木…
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人並の才に過ぎざる わが友の 深き不平もあはれなるかな 石川啄木…
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とある日に 酒をのみたくてならぬごとく 今日(けふ)われ切(せち)に金(かね)を欲(ほ)りせり 石川啄木…
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うぬ惚(ぼ)るる友に 合槌(あひづち)うちてゐぬ 施与(ほどこし)をするごとき心に 石川啄木…
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何がなしに 頭のなかに崖(がけ)ありて 日毎(ひごと)に土のくづるるごとし 石川啄木…
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死にたくてならぬ時あり はばかりに人目を避(さ)けて 怖(こは)き顔する 石川啄木…
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この次の休日(やすみ)に一日寝てみむと 思ひすごしぬ 三年(みとせ)このかた 石川啄木…
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ある日のこと 室(へや)の障子(しやうじ)をはりかへぬ その日はそれにて心なごみき 石川啄木…
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