石川啄木
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あたらしき心もとめて 名も知らぬ 街など今日(けふ)もさまよひて来(き)ぬ 石川啄木…
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夜明けまであそびてくらす場所が欲(ほ)し 家(いへ)をおもへば こころ冷(つめ)たし 石川啄木…
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人みなが家(いへ)を持つてふかなしみよ 墓に入(い)るごとく かへりて眠る 石川啄木…
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叱られて わっと泣き出す子供心 その心にもなりてみたきかな 石川啄木…
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女あり わがいひつけに背(そむ)かじと心を砕(くだ)く 見ればかなしも 石川啄木…
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わが抱(いだ)く思想はすべて 金(かね)なきに因(いん)するごとし 秋の風吹く 石川啄木…
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くだらない小説を書きてよろこべる 男憐(あは)れなり 初秋(はつあき)の風 石川啄木…
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はても見えぬ 真直(ますぐ)の街をあゆむごとき こころを今日は持ちえたるかな 石川啄木…
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何事も金金(かねかね)とわらひ すこし経(へ)て またも俄(には)かに不平つのり来(く) 石川啄木…
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己(おの)が名をほのかに呼びて 涙せし 十四(じふし)の春にかへる術(すべ)なし 石川啄木…
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