石川啄木
2017.10.8
ふるさとの父の咳(せき)する度(たび)に斯(かく) 咳の出(い)づるや 病めばはかなし 石川啄木
不可能なものを取り除いた後に残ったもの─
われらはいかにあるかを知るも、われらがい
何がなしに 頭のなかに崖(がけ)ありて 日毎(ひごと)に土のくづるるご…
こみ合(あ)へる電車の隅(すみ)に ちぢこまる ゆふべゆふべの我のいと…
はても見えぬ 真直(ますぐ)の街をあゆむごとき こころを今日は持ちえた…
あらそひて いたく憎みて別れたる 友をなつかしく思ふ日も来(き)ぬ 石…
石をもて追はるるごとく ふるさとを出(い)でしかなしみ 消ゆる時なし …
ゆゑもなく海が見たくて 海に来ぬ こころ傷(いた)みてたへがたき日に …
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